株式会社リボン・エステート

不動産投資にあたって

金融視点で考える不動産投資
不動産投資は事業的な要素をもつ投資ですが、投資には違いないので、ほかの投資において重視されている金融ワードを不動産投資にあてはめてみることは有効な検証といえるでしょう。
たとえば、投資を成功裏に完結するためにはいくらで売るかという出口戦略が重要なのですが、ここでは「流動性」というワードが重要となります。 流動性とはその資産がいかに換価しやすいかを示す指標ですが、流動性が高いためには、売手、買手のプレーヤーが多い、売買のマーケットが整備されている、過去のトラックレコードが把握しやすいことなどがあげられます。
この流動性の高さを重視するならば、区分分譲マンションが該当するでしょう。流動性の高い物件を選ぶことで、不動産投資における「複利効果」を得られることもできます。
また「分散」もよく知られるところです。タマゴを一つのカゴに盛るなという投資格言があるように、投資対象を一点に集中させると、ネガティブな事象が生じた場合にその影響をすべてに受けてしまいます。 その点では一棟アパートは投資利回りが高くなる反面、分散が利かなくなることで一定のリスクを内包してしまうと言わざるを得ません。
株式投資においても、一銘柄に投資資金の大半を投下する人はいないと思います。分散が大事だとわかっているからです。収益物件選びにおいても、分散を念頭に置くことは重要なのです。

以下、不動産投資という投資を、もう少し金融ワードでなぞってみたいと思います。
「値下がりしないか?」 ~元本保証
元本保証とは投資等で拠出した金額(元本)が市場動向にかかわらず保全され、必ず返還されることを言います。金融商品を検討する場合には、設定利回りが何%であるか以前に、元本保証かどうかは必ず考えると思われます。
不動産投資においては、基本的にその物件の価値(元本)が保証されているということはなく、経年劣化とともに減価していくものだと考えるべきなのですが、それでも元本の価値が将来どのくらい減価してしまうのか、もしくは減価しにくいのかは常に念頭に置くべきです。
もし、減価の幅が大きいと予測される物件であれば、仮に高利回りの物件であったとしても意味がありません。元本部分を先喰いしていることと変わらないからです。
投資対象の不動産は、賃料収入を享受していった後も、なおも物件価値が下がりにくい物件であることが必要で、一時点での賃料収入の多寡(見かけの利回り)よりも、本来は優先される必要があるはずなのです。
「売りやすいか?、貸しやすいか?」 ~美人投票
株式投資において有効であるとされる言葉に「美人投票」があります。 美人投票とは、自分が美人だと思うものを選ぶ(投資する)のではなく、大勢が美人だと思うものを選ぶ(投資する)ほうが有効であるという意味です。
人は、男女問わず、また対象を問わず、「好き嫌い」や「こだわり」というものを持っています。不動産を選ぶときも、物件の立地、外観の見た目、ブランド、部屋位置など、いろいろこだわりがあるでしょう。これは、自分が住むとき、つまり自分のみがその効用を享受しようというときは、自分の好みをつらぬいていいのだと思いますが、不動産投資の場合にはこだわりすぎるのはあまり良くありません。というのも、その視点で見てしまうと、手頃な価格の投資物件は、そこかしこにアラが見えてきてしまうものです。個人投資家の場合、それなりに経済的資力のある方も多く、自らを満足させるにはどんどん物件価格が高くなっていくはずです。
それよりも、「この物件を借りたい、もしくは買いたい」と考える層にどれくらい厚みがあるか、すそ野がどのくらい広いか、という客観的な視点で物件選びをする必要があるのです。投資物件はたしかに不動産ですが、運用商品であるという側面を考慮すれば、流動性、安定性が必要になります。であるならば、より多くの人に支持される物件、つまり「みんなが美人だと思う物件」を選ぶことが重要だということになるのです。
「管理はどうか?」 ~フリーライダー
フリーライダーとは、必要なコストを負担しないにもかかわらず、利益だけを受ける「ただ乗り」のことを指します。特に悪い意味ではなく経済用語として用いられています。
不動産投資の場面では、物件の維持管理面でこれに似た現象が見られます。投資用の物件では、所有者は基本的にその場所に住まないため、維持管理は居住者と所有者から委託を受けた管理会社の手に委ねられることになります。
管理会社へは管理に対する委託料を支払っていますので、それはさておき、重要視したいのは、居住者の意識です。居住者がすべて賃借人である場合、その物件の価値を維持保全していこうと意識は働きません。所有者でないため当然と言えば当然でしょう。
例えば物件の老朽化の要因として給排水管の劣化があげられますが、配管の高圧洗浄が定期的に行われているかは重要です。これが賃借人しか住んでいない物件ですと、居住者は不在がちであったり、非協力的な傾向があります。
共用部のゴミ放置ひとつとっても、割れ窓理論のように物件の価値を落としていきます。こうなると賃貸の再募集の面でもよくありません。
これと対照的なのが、ファミリータイプの分譲マンションです。居住者の大多数が所有者であるため、当然ながら、自らの財産を大事にしようという意識がはたらきます。この意識は日常の営繕のみならず、長期にわたる修繕計画の策定や、管理ルールの徹底など、細部にまで行きとどきます。
このような物件に投資していれば、自らはそこにいなくても、居住者による適切な維持管理に「ただ乗り」できることになるのです。
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